株式会社朝日ビルメンテナンス

外国人留学生 雇用・シフト管理マニュアル

不法就労助長罪を防ぐための「週28時間ルール」徹底ガイドと実務対応

採用時の必須確認と「週28時間ルール」

留学生を雇用する際、企業は「資格外活動許可」の有無とルールの詳細を正確に把握する義務があります。違反した場合、「知らなかった」では済まされません。

📌 在留カードの確認(最重要)

採用面接時および雇用契約時に、必ず原本で以下の2点を確認し、コピーを保管してください。

  • 表面:就労制限の有無欄に「就労不可」とあること(留学生のため)。
  • 裏面:資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」のスタンプがあること。
※裏面に許可スタンプがない留学生を1分でも働かせると不法就労となります。

ルールの落とし穴

  • !

    「任意の7日間」で常に28時間以内

    給与計算の締め日(例:1日〜月末)や「月曜起点」に限りません。例えば「木曜〜翌水曜」で切り取っても28時間を超えてはいけません。

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    他社でのアルバイトとの「合算」

    自社で週15時間でも、他社で週15時間働いていれば合計30時間となり、両方の企業が指導対象となるリスクがあります。

🌴 長期休暇中の特例と必須書類

学校が学則で定める長期休業期間(夏休み等)に限り、1日8時間・週40時間まで就労が認められます。

企業側が入手・保管すべき書類:
この特例を適用してシフトを増やす場合、必ず留学生から「学年暦(カレンダー)」または学校発行の「長期休業期間証明書」のコピーを提出させ、休暇の開始日と終了日を客観的に証明できる状態にしてください。

【図解】掛け持ち(ダブルワーク)による超過リスク

企業側が把握していない「他社での勤務」が最大の死角となります。

企業側の罰則:不法就労助長罪

留学生本人のビザが取り消されるだけでなく、雇用した企業側にも極めて重い刑事罰が科されます。「本人が大丈夫と言ったから」「知らなかった」は通用しません。

不法就労助長罪(入管法第73条の2)

3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金
(またはその両方)
  • 過失犯も処罰対象: 「週28時間を超えていると知らなかった」「在留カードを確認していなかった」という過失(確認義務怠慢)でも処罰されます。
  • 外国人雇用の停止: 処罰を受けた企業は、その後一定期間、特定技能などの外国人を新たに雇用できなくなります。
  • 企業名の公表: 悪質な場合、報道や公表により企業の社会的信用が大きく失墜します。

情報発覚のルート

企業が市役所等へ提出する「給与支払報告書」により、留学生の年収は入管庁に筒抜けです。時給換算すれば週何時間働いているかは容易に推測されます。また、外国人雇用状況の届出(ハローワーク)を通じても監視されています。

留学生本人への影響(参考)

企業側が無理なシフトを組んだ結果、留学生は次回のビザ更新が不許可となり、退学・強制帰国となります。また、大学卒業後に日本の企業に就職(就労ビザへ変更)することもできなくなります。

適正なシフト管理と予防アクション

リスクを回避するためには、現場(店長や現場責任者)と人事部門が連携し、システム化された管理を行うことが重要です。

1

採用時・毎月の申告制度

「他社でのアルバイトの有無」および「他社での週間シフト時間」を毎月書面(またはシステム)で申告させます。

誓約書の取得:「他社と合算して週28時間を超えないこと」「就労状況に変更があれば即座に報告すること」を誓約させます。
2

自社シフトの上限設定

掛け持ちがない場合でも、突発的な残業や代打出勤を考慮し、システム上で「週25時間」程度でアラートが鳴るよう設定するのが安全です。

「任意の7日間」で超過しないよう、日ごとの労働時間を可視化するシフト管理ツールを導入します。
3

現場責任者への教育

人手不足の現場では、店長が安易に留学生にシフト追加を頼みがちです。これが最も危険なパターンです。

店長会議等で、「留学生への残業依頼は法律違反(不法就労助長罪)に直結する」旨を徹底教育します。

超過が発覚した場合の企業の対応

もし自社内、あるいは他社との掛け持ちによって週28時間を超過していることが発覚した場合、企業としての防衛と適法化のための迅速な初動が必要です。

Step 1: 即座に就労(シフト)を停止・削減する

発覚した時点で、直ちにシフトを削り、適法な状態(合算して28時間以内)に戻します。「今週は人がいないから来週から」は通用しません。違法状態を認識しながら働かせた場合、企業の故意が問われます。

Step 2: 事実関係の調査と記録

本人と面談し、「いつから」「どの程度の時間」「どこで(他社の場合はその勤務先)」超過していたのかをヒアリングし、記録に残します。企業側に過失がなかったか(申告を怠っていたのは本人か等)を明確にします。

Step 3: 専門家への相談(社労士・行政書士・弁護士)

軽微な超過であればシフトの是正で済む場合もありますが、長期間・大幅な超過の場合は入管庁への申告や、留学生の在留資格に重大な影響が出ます。自己判断せず、外国人労務に詳しい専門家に相談してください。

Step 4: 隠蔽行為の絶対禁止

超過分を「手渡し」で給与支給したり、タイムカードを改ざんするなどの行為は、極めて悪質な不法就労助長とみなされ、刑事告発のリスクが跳ね上がります。絶対にやってはいけません。

ハローワークへの届出義務と参考リンク

外国人を雇用する事業主には、法令に基づく届出義務があります。以下の公式ガイドラインと併せてご確認ください。

【義務】外国人雇用状況の届出(厚生労働省)

留学生をアルバイトとして雇い入れた場合、および離職した場合には、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行うことが法律で義務付けられています

※届出を怠った場合、または虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金が科されます。

▶ 厚生労働省:外国人雇用状況の届出制度について

参考:入管庁等の公的ガイドライン